ハロゲン元素について,「すべて二原子分子であるか」「色は何か」「臭いはどうか」
などと問う設問があった.
その試験は, 受験資格が設けられており, 基本的に理学部や一部の工学部出身者の受験を想定している.
さて, 恥ずかしい話であるが, 私は単体のフッ素の色を知らなかった.
知らなかったというより, 完全に根拠を欠くとても恥ずかしい思い込みをしていた.
ハロゲン元素を軽い順に並べていくと, フッ素F, 塩素Cl, 臭素Br, ヨウ素I, アスタチンAtとなる.
そして「すべて二原子分子であるか」という問について, 塩素Clとヨウ素Iが,
それぞれCl₂, I₂となることは, 小学生でも知っている話である.
電子のお気持ちを考えてみると, その他のハロゲン元素が二原子分子であることは自明である.
しかしながら私は, なぜか「あれれ~F₂なんてあったかな?」と考え出してしまい,
「いやいやそんな戦闘機みたいな分子ないだろ!」となった結果, 「フッ素は二原子分子ではないからハロゲンがすべて二原子分子というのは嘘!」という誤った結論を導き出してしまった.
もっともこれについては, 情報処理技術者試験などで培った, 知識に基づかず回答群から逆算する手法を駆使して「ハロゲン元素はすべて二原子分子である」と訂正し, 自分の考えをねじ伏せて事なきを得た.
次に, 「色は何か」であるが, さすがにヨウ素の単体が赤紫色あたりの色をしていることを知らない者はいない.
塩素についても, なんとなく黄色っぽいか黄緑っぽいガスであるということは, 第一次世界大戦マニアの文系も知るところである.
臭素についても同様で, なんとなく赤っぽい色がついていることは多くの義務教育課程の児童・生徒の知るところである.
さて, フッ素はどうか...フッ素が有色であるという認識は全くなかった.
フッ素の単体を使った実験など, 中高でも学部でもしたことがなかったし,
教科書的にも有色であるという記述には覚えがない(実は書いてあるのだろうけれど).
そこで私は「まあフッ素は他の元素さんとはちょっと原子間の距離とかが違って可視光に吸収がなく透明なのだろう」という解釈をした.
余談だが, 学部生の頃, 卒業研究で「透明」という語を使ったところ, 数週間にわたり指導教員に詰められたことがある.
話を戻すと, フッ素は実のところ微妙に黄色っぽいらしい.
ルフィ「特殊な条件より 常温常圧で性状を語れよ(ドンッ!!!)」
実はこれもお得意の回答群から逆算する手法で事なきを得ましたが,
試験後にWikipediaでフッ素の性状を調べてみたらちょっと変なお気持ちになってしまいました...
ではまた.
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