2022年5月17日火曜日

「測りかね」か「量りかね」か

 「はかりかねる」「はかりかねた」という用語はしばしば目にすることと思うけれど,

図る測る計る量る謀る諮る料る詢る...と, いずれの「はかる」であるかまったくはかりしれないものである.

日本語の正しさなるものがあるとすれば, それはやはり役所の権威に阿ってみるのが適切であろう.

 公文書は誰が何と言おうと正しいという原則のもとに人間社会は成立しているのだから.


まずは文化庁.

2013年に漢字小委員会の出した "「異字同訓」の漢字の使い分け<ハ~ワ行>(素案)" という資料には...

【測る】長さ・高さ・深さ・広さ・程度を調べる。推測する。

  距離を測る。標高を測る。身長を測る*。水深を測る。面積を測る。血圧を測る。

  温度を測る。運動能力を測る。測定器で測る。真意を測りかねる。

とある.


つぎに裁判所の公的判例集.

「測りかねる」は, 2件

「測りかねて」は, 1件

「量りかねる」は, 1件

「量りかねて」は, 0件

「推し量る」は89, 件

「推し測る」は, 6件


最後に, 民間の某判例データベースでは

「測りかねる」は, 15件

「測りかねて」は, 8件

「量りかねる」は, 4件

「量りかねて」は, 3件

「推し量る」は, 296件

「推し測る」は, 40件

でした.


すなわち, 「はかりかねる」「はかりかねて」については, 誤差の範囲ではあるけれど「測り」「測る」が主流であり, 

「おしはかる」は「量る」が明らかに主流であるといえそうです.



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