2021年8月28日土曜日

データ長期保存(バックアップ)の基本

 データを長期保存する際の作法といくつかの重要な情報を述べておきます.

・記録媒体の分散

 ・磁気記憶媒体(ハードディスク,磁気テープ)と光ディスク両方に同じデータを

    光ディスクはケースに収納しケースごとアルミホイルで包む

   直射日光が当たる場所や,温度差がある場所では保存しない

   光ディスクは長寿命(通常20年以上)であるが,再生機器の供給(保守)の問題がある

   二層光ディスクや特殊な規格の光ディスクを使用するのは再生機器の供給リスクあり

   25GBブルーレイディスク(BD-R)を推奨

   書き込み速度は4倍速や6倍速が安全

   書き込み速度を早くすればするほどデータ欠損のリスクが高まる

    ハードディスクも温度変化が小さい場所での保存が好ましい

   ただし,高温の環境で使用しても寿命がさほど変わらないという説もある

   基板劣化の危険があるため,乾燥した窒素雰囲気下で保管することが好ましい

   同ロットのものを複数用いて保管すると基板劣化の保険になる(サーバ運用とは真逆)

   SMRとCMRで特にデータ保存面で差異があるという証拠はないのでどちらでもよい

   RAIDは,いかなる方式でもデータ欠損のリスクを極めて高くするため使用しない

   ハードディスクは異種金属接触腐食に注意(本体を他の金属と接触させない)

  ・仮に再生できなくなってしまっても,メディアを保存していれば,将来的に復元できる可能性があるので廃棄しない(復号化も同じ)

・ソリッドステートな記憶媒体(SSD等)は長期保存には向かない

 ・SSD, USBフラッシュドライブやSDメモリカードの危険時間(データの一部が欠損するリスクが著しく高まる)は約3年

   品質が悪ければ数ヶ月でデータが欠損する


・ディスク暗号化は復号用の機器の保守が必要なので高コスト

 ディスク暗号化が必要ないデータは必要ないデータでまとめて保管したほうがコストが小さくなる(自明)

 記録媒体を窃取された場合,復号に無限の時間を与えたのと同様

 ディスク暗号化はデータの欠損リスクを大きく上昇させる

 仮に復号化できなくなってしまっても,メディアを保存していれば,将来的に復元できる可能性があるので廃棄しない(再生も同じ)


・データの定期確認と再バックアップを欠かさない(数年ごとに必須)


・データは意外となにもしなくても飛ぶ(欠損する)ので,重要なデータは多重にバックアップし,別の地点で注意する


・洪水や火災,地震,津波,地盤沈下,戦争,テロ,EMP攻撃,サイバー攻撃,窃盗,強盗,詐欺,高エネルギー宇宙線(必要なら金属板や鉛シートで防護),磁気嵐(必要ならアルミホイル等で防護),など様々なリスクを警戒する


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