米国では,個人情報が伏せられた職務経歴書を提出したとしても,黒人やヒスパニックでは,就職活動において不利になる.また,アファーマティブ・アクションにより,アジア系の氏名では,黒人の氏名に比べ,大学への入学が著しく困難になる.
ドイツにおいてはどうか. 先程, このような事象について,興味深い記事を見かけたので紹介する.
"「タブー視してきたツケか」ドイツで"ユダヤ人憎悪"のデモが広がる厄介な理由(6/8 15:16 配信 プレジデントオンライン)"は, 登場人物の氏名のみ, ゲルマン系およびユダヤ系に振り分けたアンケート調査により,潜在的な差別の度合いを調べるといった内容である.
上記記事の翻訳文によれば「XYは1974年にミュンヘン生まれで、現在45歳。ミュンヘンのIT企業で中間管理職の一員として働く。叔母から5万ユーロの遺産を受け継ぎ、それを子供達の学費として活用するため、ドイツと米国の企業の株に投資した。株の選択は、自動車、薬品、鉱物資源を扱う企業に重点を置いた。今後、大きな市場の動きに対応するため、株の動きをスマホでフォローするつもりだ」という文章に対し,道徳的な程度はどうであるか質問する調査である.
結果として, 氏名をユダヤ系らしいものにした場合は34.8パーセント, 氏名をゲルマン系らしいものにした場合は14.8パーセントが反道徳的か極めて反道徳的と回答したという.
このような偏見・差別は我が国を含め, 多くの西側諸国, いや全世界に充満しているのではないだろうか...と思わずにはいられない.
なお, 元の記事は"Wenn jüdisch klingende Namen üble Vorurteile auslösen(18 Jun 2021, Die Welt)"である.
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