さて, このゲーム規制条例は有識者からも指摘されるように, 行政が個人の自由やプライバシーに強く干渉するところがあり, 違憲と判断される公算が大きいものです。
また, 条例可決までの過程, 可決後の過程にも問題が多いものであるといえるでしょう。
可決前の段階では香川県議会議員の秋山ときさだ氏が, 議会側のパブリックコメントに関する不適切行為をメディアに告発(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2003/14/news038.html)していますし, 可決後には朝日新聞が「複数の賛成意見に同じ誤字 送信、3日間に集中 香川ゲーム条例」という見出しをつけた記事(https://www.asahi.com/articles/DA3S14443304.html)を出したことによって大炎上の様相となりました。
そして今回問題となった「共有パソコンの紛失について」のプレスリリース(https://www.pref.kagawa.lg.jp/content/dir7/dir7_3/dir7_3_1/wc4es4200416155726.shtml)ですが, 明らかに過失による紛失を想定することが不可能であり, 仮に事実であれば窃盗以外の可能性はないケースであるにも関わらず「警察に相談した」「被害届を提出した」などの文言は一切見当たりませんでした。
そこで, 過去の事例について香川県のホームページ内を検索したところ, 同様の事例は新しい順に
・県職員の飲酒による個人情報紛失について
・『実習生書類紛失事案』についてのお詫び
というページが見つかったのみであり, しかも, 1件目は「ご提言等の内容」であってプレスリリースが保存されているわけではなく, 2件目はあくまで県庁のホームページとサーバーを共有している保育園のページであって, プレスリリースではありませんでした。
こうした実情に鑑みれば, 香川県庁にて「PC」紛失のごときプレスが出ることは極めて稀であるか, あるいは初めてであると考えられます。
そうすると, 以下のようなプレスリリースの内容を言葉どおりに受け取ることはできず, 結論からいえば, 「紛失」した電子計算機(PC)にはパブリックコメントの偽造に関する重要な証拠が格納されていたものと推察することに何ら困難はないといえるでしょう。
前述の事情から, 仮に香川県庁・県議会がパブリックコメントの偽造等を行っていた場合には, 以下の「偽名等による応募は無効」との前提に大きく反することになるのは明白でしょう。
いずれにせよ, もはや香川県の信頼は復原不可能な状態にまでおちており, 大阪市・大阪府と同様に優秀な人材の流出を避けることはできないでしょう。
なお, いちおうコメントを残しておきますが, 今回のような
事例について, 偽計業務妨害を適用することは極めて困難といえるでしょう。
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